2019年4月24日水曜日

農大飼養学_004_脂質とは

脂質(lipid)とは、タンパク質、糖質に対応する言葉です。

グリセリンと脂肪酸のエステルです。

なので、加水分解すると脂肪酸を遊離します。

生体を構成する脂肪酸は、長い炭化水素鎖をもちます。
最大で24個の炭素原子からなりますが、最も多い脂肪酸はC16やC18のような偶数個の炭素原子からなる脂肪酸です。

脂質は官能基をもたないものとしてしても定義づけられています。
官能基をもたないので、水素結合を形成する能力に欠け、多くは水に溶けません。(逆に、多くの脂質は非極性な有機溶媒には溶けます。)

以上の脂質の特徴とまとめますと、
  1. 水に不溶だが、有機溶剤に溶ける。
  2. 加水分解により脂肪酸を遊離する。
  3. 生物体により利用される。
この3つは、W.R.Bloor (1925)による脂質の定義を同じになります。


参考文献
エッセンシャル生化学
生化学辞典
Bloor, W. R. "Biochemistry of the Fats". Chem. Rev. 19252, 243–300.