4つ目の原則です。
1. Animals selected for the activity should be suitable for the purpose and of an appropriate species and genetic background to ensure scientific validity and reproducibility.
(私訳)動物は、実験の目的に合致したものを選定しなければならない。また、科学的な妥当性と再現性をみたすために適切な動物種や遺伝的背景をもったものを選定しなければならない。
(解説)実験の目的に応じた動物種を選定することが重要
2. The nutritional, microbiological, and general health status as well as the physiological and behavioral characteristics of the animals should be appropriate to the planned use as determined by scientific and veterinary medical experts and/or the scientific literature.
(私訳)動物の栄養学的、微生物学的、そして一般的な健康状態に加え、生理学的、行動学的特性が、科学や獣医学専門家、あるいは科学的文献によって立案された実験計画に適合したものでなければならない。
(解説)動物種の選定にあたっては、栄養状態、病気に罹っていないかだけではなく、健康な状態での生理や行動を考慮にいれること。
動物実験の種類はさまざまです。その目的もさまざまです。
効果的に目的を達成できるよう、動物種を選定することが重要です。
また、同じ動物種でも、遺伝的な違いがあれば、実験に対する反応性も変わってきます。
例えば、マウスの系統のひとつであるC3H系統は、なにもしなくても長期間飼育していれば乳がんを発症します。このような動物を用いて、ある新規化合物が乳がん発がん性をもつか否かを検討しようとしても、明確な結論はえられないでしょう。なぜなら、その新規化合物を投与していない群(対照群)においても乳がんが発生するためです。
これを回避するには、乳がんを自然発症しない系統を用いることが必要です。
このように動物実験を計画するには、動物種のみならず、同じ動物種でもどの系統、どのような遺伝的バックグランドをもつのか、を考慮する必要があります。