未だ毛が生えそろっていないので、ピクリン酸などによる色素塗付法を用いることができません。
また、耳介も未発達なため、耳パンチ法による個体識別もできません。
そこで、新生児のマウス・ラットを個体識別には、やむを得ない処置として、指先を切断することが行われます。
注意点としては、
- 局所麻酔薬を用いる
- 片側の後肢の一本の指先のみを切断する
- 切断した指先からDNAを抽出し、遺伝子型解析に用いるべき
後肢には、5本の指があります。一本ずつ切断することで、最大10頭を識別できます。
前肢を切断してはいけません。なぜなら、物をつかんだり、毛づくろいする能力を低下させる可能性が高いからです。
参考資料
遺伝子改変マウス作出における洗練(refinement)および削減(reduction):Laboratory Animals 37, Suppl 1, July 2003の訳出; p45