溶けるという現象を以前、説明しました。
溶媒が水の場合、水は極性をもつので、極性をもつ分子を溶かすことができます。
では、グルコースは水によく溶けるのに、グルコースが連なったでんぷんはなぜ水に溶けにくいのでしょう?
グルコースは、分子中に-OH基を5個持っています。このーOH基が極性をもつので、水分子が引きつけられグルコース分子を取り囲み、グルコースを水に溶かします。
一方、デンプンはグルコースが連なったもので、グルコース1単位当たりーOH基を3つもちます。デンプン分子には、-OH基がたくさん含まれるので、水に溶けそうなものですが、水には溶けにくいですね。
その理由は、デンプンのーOH基はデンプン分子内の他のーOH基を引きつけるのに使われるからです。デンプンはせっかくの-OH基を水に取り囲んでもらうのに使うのではなく、自分自身の形を保つのに使います。結果的に、デンプンはらせん状の立体構造をとります。