2014年4月30日水曜日

ラットの唾液腺

ラット頸部の皮下組織を観察する機会がありました。

組織としては、腹側から背側に向かって、顎下リンパ節、耳下腺、舌下腺、顎下腺があります。



  1. 顎下リンパ節 (lymphonodi submandibulares)
    黄色っぽい。
    このラットでは少し腫れています。
  2. 耳下腺 (glandula parotis)
    透明でゲル状の脂肪のような組織に白い腺がみえます。
    この写真では背部側にめくられて見にくいです。
  3. 舌下腺 (glandula sublingualis)
    顎下腺の最頭部側に位置します。
    顎下腺と区別がつけにくいです。
  4. 顎下腺 (glandula mandibularis)
    複数の葉状からなる組織です。
    ピンク色っぽい。
  5. 涙腺 (glandula lacrimalis)
    耳介の皮下直下にあります。
    茶色っぽい。
耳下腺、舌下腺、顎下腺をあわせて唾液腺 (salivary gland) といいます。

参考文献
The Laboratory Rat
Editied by Georg J Krinke.
Academic Press

2014年4月2日水曜日

土をこねて物の形をつくる。穴に鼠がはいる様子。

理化学研究所が「STAP細胞」作製を報告した論文中に、捏造と改竄という意図的な不正があったとする最終報告を出しました。

『広辞苑』によりますと、
「捏造」とは、事実でないことを事実のようにこしらえて言うこと。土などをこねてものの形を作ること。
「改竄」とは、字句などを改めなおすこと。多く不当に改める場合に用いられる。

以下、『新字源』によりますと、
捏という漢字は、ねばついた土に手を加えて「こねる」、からめるという意。
これから派生して、
1) こねる、からめる。
2) こじつける、でっちあげる。
3) からめる、にぎる。
4) おす、おさえる、おさえつける。

竄という漢字は、穴に鼠が隠れるさま、から逃げ隠れるという意。
1) かくれる、かくす。
2) のがれる、にげる。
3) はいる、あなにはいる。
4) しみいる、香などがしみこむ。
5) ひそか、かすか。
6) はなす、遠方に追放する、流竄、竄逐。
7) あらためる、文字をかえる、竄改、改竄。

「捏」が、手を使い、土をこねて、形のないものから形のあるものへ作り上げるという意味を示すことは、イメージしやすいです。

「竄」ですが、穴と鼠の組合せですので、隠れる、逃れるというのは、イメージできます。
そこから、穴に入る→しみいる→しみいったものがかすかに出てくる→放つ、追放する→もとのものとは違ったものになる、というような意味の展開でしょうか?

鼠(ねずみ)関連の漢字だけに気になります。