2017年8月7日月曜日

PowerPointのノートをWordへ移す

パワーポイントでプレゼンする時に、発表原稿をノートに書くことがあります。
ノートに書いた原稿をワードに移す手順は、以下の通りです。
(PowerPoint 2010)


  1. 「ファイル」タブから、「保存と送信」を選ぶ
  2. 「ファイルの種類」メニューにある「配布資料の作成」を選ぶ
  3. Wordでのレイアウトが選べます。「スライド下のノート」選択
  4. 「OK」を押す
自動的にWordが開いてファイルが作成されます。
スライド1枚につき、Word 1ページです。

参考
インストラクターのネタ帳
http://www.relief.jp/docs/002251.html





2017年3月23日木曜日

ガイドRNAの発注

CRISPR/Cas9システムを使って遺伝子改変ラット(ノックイン)を作製する方法を紹介しています。

今回は、ガイドRNAの発注です。

ガイドRNAを合成する方法はさまざまありますが、簡単なのはRNA合成を企業に発注することです。

2.ガイドRNAの発注
  ・Integrated DNA Technologies (IDT) に依頼する場合を紹介します。
   IDTのHPにアクセス
   CRISPR-Cas9 genome editingのページへ
   Alt-R(TM) CRISPR-Cas9 crRNA, 10 nmolを発注
   配列等を入力

  ・CRISPR-Cas9を働かせるには、tracrRNAとCas9 nucleaseが必要です。
   これらも一緒に購入できます。

  ・語句説明
   crRNA:ターゲットに特異的なRNAオリゴです。
   tracrRNA:crRNAと結合し、Cas9と複合体を形成します。
   Cas9 Nuclease 3NLS:crRNA:tracrRNA duplexに結合します。
              核移行シグナルが3つ付加されています。 



ガイドRNAのデザイン

CRISPR/Cas9システムを使って遺伝子改変ラット(ノックイン)を作製する方法を紹介します。

今回は、狙った遺伝子の配列を変えて、アミノ酸置換(ミスセンスあるいはナンセンス)させます。

1.ガイドRNAのデザイン
 ・ターゲット配列周辺のゲノムDNAを準備する。

 ・ガイドRNAのデザインサイトを利用
  代表的なものとして、CRISPR DESIGN
     search name*: 適当な名前を入れる
     email address*: メールアドレスを入れる
   sequence type: other region (23-500 nt)を選択
     target genome: rat (rn5)を選択
     sequence: 貼り付ける

 ・Agree and Submitを押す。

 ・数分するとResults画面に変わるので、Guides & offtargetsを押して、結果をみる。

 ・貼り付けた配列上にデザインされたガイドRNAがスコア順にでてきます。

 ・ガイドRNAの3'側にはPAM配列が記載されています。

2017年3月6日月曜日

近交系数 (coefficient of inbreeding)

非常に小さい集団では、血縁関係のある個体同士の交配が行われます。これを近交 (inbreeding)といいます。近交の程度は、近交係数 (coefficient of inbreeding)で表します。

近交係数とは、ある個体の任意の遺伝子座位において2つの対立遺伝子が同一である確率、です。the probability that the two genes at any locus in an individual are identical by decent.

少し専門的ですが、この [identical by decent]とは、祖先が持っていたある対立遺伝子のコピーが、近交が起こった結果、次世代あるいはそれ以降の世代で「同一の」対立遺伝子のホモ接合となったことを言います。two genes that have  originated from the replication of one single gene in a previous generation may be called identical by descent or simply identical.

そのため、近交係数とは、以下のように定義されます。

「1個体がある遺伝子座位についてホモ接合体であって、しかもその二つの対立遺伝子が共通祖先にあった1つの対立遺伝子に由来したものである確率」

実験動物のマウスやラットでは、兄妹交配を20世代以上行うことで、様々な近交系 (inbred strain) が作製されています。このような近交系では、近交係数が0.986以上になると言われています。

参考資料
Introduction to quantitative genetics (Falconer & Mackay)
人類遺伝学―基礎と応用―改訂第2版(金原出版)

2017年3月2日木曜日

ミスセンス変異によるタンパク質の機能変化の予測

遺伝子のタンパク質コーディング配列に点変異が生じ、その結果コドンが変化し、蛋白質のアミノ酸が置換するような変異をミスセンス変異(missense mutation)と言います。

ミスセンス変異によるアミノ酸の置換が、タンパク質の機能に影響をおよぼすかどうかを、in silicoで予測することができます。

予測プログラムは、予測方法によって、以下の3つグループに分けられます。


1.進化的に保存された配列に基づく方法(sequence and evolutionary conservation-based methods)
進化の過程で保存されている領域はタンパク質の構造や機能に重要であるという予測にもとづく。
SIFT, Align-GVGD, PANTHERなど

2.タンパク質の配列と構造に基づく方法(protein sequence and structure-based methods)
置換前のアミノ酸と置換後のアミノ酸の性質が似ていれば、タンパク質の構造に変化を及ぼしやすく、反対に、似ていなければタンパク質の構造に変化を及ぼすと考えられる。アミノ酸置換によってタンパク質の構造に変化が生じるかを予測。
PolyPhen-2など

3.ニューラルネットワークを用いた学習に基づく方法(supervised-learning methods)
疾患に関連する変異と関連するとは知られていない変異のデータセットを用いて学習させる。
PMut, SNAP, PhD-SNPなど


参考
Misense Prediction Tool Catalogue