2013年10月21日月曜日

SPF動物とは

実験動物、とくにマウスやラッでは、SPFという言葉がよく出てきます。
このマウスはSPFですか?このラットはSPFですか?というぐあいです。

SPFとはいったいなんでしょう?
これは、Specific Pathogen Freeの略で、直訳すれば、「特定の病原体がいない」となります。
「特定の病原体」というのがイメージしにくいかと思います。
私は、「特定の病原体」というよりも、「指定された病原体」と意訳した方がイメージしやすいのではと思っています。
つまり、「このリストに載っている○○、××、△△といった病原体をもっていない」ということです。

では、これらの病原体は、誰が指定するのでしょう?
病原体のリストは誰が指定するのでしょう?

このリストは、SPF動物を飼育する施設が指定します。
例えば、A施設ではAという病原体のリストを作成し、「我々の施設では、このリストに載っている病原体を持っていない動物をのみを飼育します」とあらかじめ宣言しておくのです。

この考え方は、ヒトや家畜の感染症の予防法の考え方に立脚したものです。
身近な例では、インフルエンザにかかると学校を休まなければなりませんね。
インフルエンザは「学校において予防すべき伝染病」としてあらかじめ法律によって指定されています。
つまり、「日本の学校では、インフルエンザをSpecific Pathogenとして指定しており、それをもたない(Freeな)学童のみを学校に来させる」とあらかじめ決めています。

このような考え方では、人間もSPFです。