2014年9月24日水曜日

122万頭

日本におけるラットの販売数が激減しているようです。

公益社団法人日本実験動物協会が「平成25年度実験動物の年間総販売数調査報告書」を出しました。
この調査は昭和60年度から3年に一度、実験動物生産者の年間販売数を調査し、実験動物数の動向を調べるものです。
今回、平成25年度一年間に販売・供給された実験動物の数が公表されました。

調査対象は、実験動物を生産している企業、大学・独立行政法人で、合計43社・機関です。
マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、サル類、ブタ、ヤギ、めん羊、鳥類について調べています。

ナショナルバイオリソースプロジェクト「ラット」を実施しているものとしては、ラットの販売数が気になるところです。
さて、そのラットですが、年間の総販売数が122万頭で、前回3年前(平成22年度)に比べ、42.7万頭減(25.9%減)となっています。
122万頭の内訳を以下に示します。
          平成22年度→平成25年度
アウトブレッド: 146万頭→109万頭(25.4%減)
近交系:     15.4万頭→9.6万頭(37.7%減)
ミュータント系: 3.1万頭→3.4万頭(9.1%増)

これらからわかるように、販売数減少の主な要因は、もともと総販売数の大半を占めていたアウトブレッドラットの販売数減少です。

アウトブレッドラットは、薬効試験や安全試験に使用されています。製薬企業の研究所の集約化や閉鎖を反映して、アウトブレッドラットの使用数が減少したものと思われます。

一方、ミュータント系統は利用が増えています。薬効試験を行うにしても安定的な表現型を示すミュータント系で実施する傾向になっているのでしょう。