2014年10月10日金曜日

2週齢以下のマウス・ラットの個体識別

2週齢以下(生後14日以下)のマウスやラットの個体識別をする場合があります。

未だ毛が生えそろっていないので、ピクリン酸などによる色素塗付法を用いることができません。
また、耳介も未発達なため、耳パンチ法による個体識別もできません。

そこで、新生児のマウス・ラットを個体識別には、やむを得ない処置として、指先を切断することが行われます。

注意点としては、

  1. 局所麻酔薬を用いる
  2. 片側の後肢の一本の指先のみを切断する
  3. 切断した指先からDNAを抽出し、遺伝子型解析に用いるべき

後肢には、5本の指があります。一本ずつ切断することで、最大10頭を識別できます。

前肢を切断してはいけません。なぜなら、物をつかんだり、毛づくろいする能力を低下させる可能性が高いからです。


参考資料
遺伝子改変マウス作出における洗練(refinement)および削減(reduction):Laboratory Animals 37, Suppl 1, July 2003の訳出; p45