2016年3月28日月曜日

苦痛度分類

動物実験の計画の立案の際に、実験動物の苦痛を想定する必要があります。
苦痛度は、低い方から、A~Eの5段階に分類されます。

苦痛度A:生物個体を用いない実験あるいは、細菌、原虫などを用いる実験

苦痛度B:動物に対して、ほとんど、あるいはまったく不快感を与えないと思われる実験

苦痛度C:動物に対して軽微なストレスあるいは痛み(短時間持続)を伴う実験

苦痛度D:避けることのできない重度のストレスや痛み(長時間持続)を伴う実験

苦痛度E:無麻酔の意識ある動物を用いて、動物が絶えることのできる最大の痛み、あるいはそれ以上の痛みを与えるような処置

計画している実験の苦痛がどのカテゴリーに相当するか悩むことが多いと思います。
そこで、実験動物中央研究所で利用されている苦痛度検索表がひとつの目安になります。

ここでは、最大限の病態が得られることを前提とした場合、疾患モデルは基本的には、カテゴリ―D」となります。遺伝子改変などで疾患モデルを作製した場合は、ほぼすべてが「D」となります。

参考資料
日薬理誌 131:187-193, 2008
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/131/3/131_3_187/_pdf