2016年7月13日水曜日

F344:Dunning系とNIH系

F344系統は、1920年にコロンビア大学のCurtisらによって系統化が始められました。

1926年にCurtisのグループにWilhelmina Francis Dunningという女性が加わります。当時はパートタイムの学生アシスタントだったそうです。その後Dunningは学位を取得し、コロンビア大学に職を得ます。そして、Crocker Institute of Cancer Researchにおける、ラット近交系の維持の責任者になりました。

コロンビア大学のF344系統は、1949年にHestonを経て、NIHにF344が導入されています。これがF344/Nという亜系統になります。

これとは別に、1960年に米国のチャールス・リバー社に導入されF344/DuCrlという亜系統になっています。

つまり、F344系統は、NIH系とDunning系という2つの亜系統に分けられるということです。

日本のブリーダーから得られるF344は、以下の通りに分けられます。

1)NIH系: 
  日本SLCのF344/NSLc

2)Dunning系:
  日本チャールス・リバーのF344/DuCrlCrlj
  日本クレアのF344/Jcl


参考文献:
The Laboratory Rat, second Edition, Ed;Suckow, Weisbroth, Franklin, Academic Press, 2006
日本チャールス・リバー株式会社 総合カタログ
日本クレア株式会社 総合カタログ
日本エスエルシー カタログ